【半導体工学】半導体洗浄方法まとめ!

半導体工学

この記事では、LSIの工程で使用される洗浄の方法を解説していこうと思います。

洗浄工程では重要なパラメータが3つあります。

・薬液種・使用温度・濃度比

この3つで洗浄工程の精度が決まります。

今回はこの様なパラメーターを説明しながら様々な洗浄方法について紹介していきます。

RCA洗浄

RCA洗浄はこの洗浄方法を開発した企業の名前からとられています。

RCA社 (Radio Corporation of Americaだったはず。。。)

このRCA洗浄はSC-1、SC-2と呼ばれる2種類の洗浄を連続して行う洗浄方法です。

行う場面としては工程流動前のSi基板を洗浄する用途で使用されます。

原理

大気中で放置されたSiには自然酸化膜がすぐに形成され表面には有機物やパーティクルが付着しています。

この付着した粒子は静電気力でくっついているので普通の洗浄ではなかなか除去しにくいです。

そこで基板を軽くエッチングしてやることで除去します。

SC-1洗浄 (APM洗浄)

これは酸化と還元を同時処理することで酸化とエッチングを起こす洗浄方法です。

手順

NH4OH(水酸化アンモニウム28%)とH2O2(過酸化水素水 30%)と純水を1:2:7の割合で混合し75~85℃に加熱します。

H2O2による酸化とNH4OHによるエッチングそしてこの溶液の濃度はアルカリ性に調整されているため、エッチング後の基板表面も粒子も表面が負に帯電することで一定後のポテンシャル障壁を持っており再付着しなくなります。

SC-2洗浄(HPM洗浄)

重金属除去やアルカリ金属の除去に効果がある洗浄方法になります。

具体的には

H2O2:HCl H2Oを1:1:7の割合で混合した溶液75℃に加熱して使用します。

SC2は酸性溶液である為、金属が溶解し除去が可能です。

このSC-1とSC-2の洗浄を連続的に行う方法を「RCA洗浄」と呼びます。

ピラニア酸洗浄(SPM洗浄)

ピラニア酸洗浄は主に残存有機物の除去に用いられます。(主にレジストの除去ですね。)

硫酸(96%):過酸化水素水(30%)=3:1に混合して120℃に加熱して使用します。

ただしこの洗浄は金属も溶解してしまうので、イオン注入前の前処理洗浄等の基板工程で用いられる洗浄方法になります。メタル工程ではまた別の方法が用いられます。

希フッ酸洗浄(DHF) / 緩衝フッ酸洗浄(BHF)

HF (フッ酸)とH2Oを混合し行う洗浄です。

DHFはSi表面の自然酸化膜除去に効果があります。

またHFはHが脱離する為、Si表面のダングリングボンドをHで終端します。

そのためDHF洗浄後のSi表面は疎水性を示し撥水するという特徴を持ちます。

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